音の善し悪しの定義

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善し悪しの定義は非常に難しいです。
スピーカーケーブル1本100万のピュアサウンドの人の意見はあまりよくわかりません。
スタジオベル河村です。

個人的には音と接するときは、作業する上で、いかに正確か、いかに平均か、いかに違和感がないか。という点が最優先で考えています。

私の定義で音が良いというと、音を聞いていても「リスナーが疲れない」が基本です。
その人にとって自然であること。
機材の銘柄や仕様やF特ではなく、機械の機能的がその場に的を得ている選定が基本です。

つまり、PAとCD制作では良い音の定義は全く違うという事ですね。
厳密にいうとジャンルでも違いますし、もちろん同じアーティストでも楽曲が違えばいい音の定義は違うという事です。

・PAでいい音という「基本だけ」を書くと、来場者に均等に正確に、極力位相特性の崩れがない、明瞭度のある音が良い音で、ドンジャリであるとか、ハイファイであるとか、良い音ではなく正確に言うとこうしたい方向性の音ということで。
・レコーディングでいい音というのは密度のある、演者の存在感が伝わる、バランスの取れた音。
でそれが整った上での(理由があってあえて崩す場合もありますが。)両方クライアントの希望に沿っている。

かなと。

で、それに短時間で高効率にするために、今年はPA関連は小型ラインアレイを導入、レコーディングは電源回りを更新という事を行いました。

で、レコーディングのお話。
レコーディング室の電源回りを大幅に改善しました。
びっくりしました。ちょっとだけ。

スタジオベルはprocable ダウン&アイソレーション・電源トランス、1500W・200V専用仕様を使用しており、それだけでもずいぶん良いなとは思っていましたが、前々からその部分をもう少し突き詰めたらもう少しよくなるんだろうなとずっとボヤっと考えていました。

そのトランスからもともとは自分で作った太目電源ケーブルで各ラックまで電源を引き回し、電源モジュールを使用し各アウトボード類まで電源を供給していましたが。

今回、procable ダウン&アイソレーション・電源トランスに直接、同社のprocable 超越重鉄タップ(マイクプリ類)10口を直接接続し、各マイクプリアンプ類に直接電源を供給し直しました!

電源経路の単純化、電源回路の長さの見直し、使用電源ケーブルの見直し、アウトボード類までの経路は非メッキ電源ケーブル化をしたという事です。

以前から電源を何とかしたい(現在十分に満足はしていたのです後回しになっていたのです。)なと思いすでに数年経ちようやく電源回りの修正を行いました!

結果を。

以前の状態から比べるとですが、
一言でいうと、今までレコーディングした音源どれをとってもですが、取った場所、部屋の空気感が圧倒的に変わりました。

どういうことかというと、依然埋もれていないと思った細かいニュアンスが明瞭になりました。
これは、その会場でレコーディングをしているので、記憶の中(当スタジオの場合がほとんどなので記憶もくそもないけど。)のその場所の音がよく聞こえてくる。

使ったギターアンプや、ドラムの音は割と判断でいるのですが、どのスタジオのレコーディング用のどのシンバルを使ったかとか、ドラムだとオンマイクだと太鼓の中の共鳴している音や倍音がはっきりとするのと、ボーカルのいろいろな処理がはっきりとわかるようになりました。
全て存在感が倍くらいになった感じです。

これを使用する前にみんな大好きオヤイデのタップを使ったのですが、悪くないんですが、こちらと比べると確実に高音域にEQをかけたようなサウンドになって耳に付くのです。
雑なたとえですが、ギターにモンスターケーブルを使ったあれとよく似た感じでしょうか。

元のシステムではほとんど認識しなかった、ちょっとしたミックスの粗さもわかってしまうので、今までの音源を全て、「ミックスをやり直したい」とか思ったりしました。

まあとにかく、電源回りを交換してから、レコーディングセッションはまだなのでマイクプリアウトボード類にはまだ使用したわけではないのですが、音色、音質的には圧倒的に情報量が多くなったので当然マイクプリアンプにも同様の方向性で良い結果が出るとしか思えません。

ちなみに、マイクとか、スピーカとかアウトボードとか、音源元に近い所から、狙った音に近づけないと、電源ケーブルを交換したところで理想の音にたどり着くはずもないのです。※一昔前のズームのマルチエフェクターでボグナーの音を出そうとしても無理なやつですね。
まあ、そこにある程度納得いけたので電源を色々さわってみたのですがね。

2018年1月にはセッションがすでに入っていて、以前録音したことのあるバンドなので、録音の比較も含め楽しみで仕方ありません。

北陸、富山・石川のレコーディングはスタジオベルまでどうぞ!
お安く(高いちゃ、高いですが、通常では考えられない安い値段です)、ハイクオリティで目からうろこの出る音源制作します!

ちなみにお家で音楽を聴く時は拾ってきたソニーのCDラジカセを使っていることはあまり声を大きくして話す事はしていません。

電話:0763-53-1333(ふくみつ光房/福光会館/福光スタジオベル)
担当:河村

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